腸チフス不活化ワクチン(Vi多糖体ワクチン)は、チフス菌(Salmonella enterica serovar Typhi)のVi莢膜多糖体抗原を精製した注射用ワクチンである。商品名はTyphim Vi(サノフィパスツール)およびTypbar-TCV(Bharat Biotech、Vi結合型ワクチン)等がある。 日本では腸チフスワクチンは薬事承認されておらず、医師の個人輸入により一部のトラベルクリニックで任意接種として使用されている。厚生労働省検疫所(FORTH)は、腸チフス流行地域(南アジア、東南アジア、アフリカ等)への渡航者にワクチン接種を推奨している。 腸チフスは衛生環境の不良な地域で汚染された飲食物を介して感染し、無治療の場合の致命率は10〜30%に達する。WHOの推計では、年間1,100〜2,100万人が罹患し、約12.8〜16.1万人が死亡している。抗菌薬耐性チフス菌(多剤耐性菌、XDR株)の出現が問題となっており、ワクチンによる予防の重要性が増している。
腸チフス不活化ワクチン(Vi多糖体ワクチン)は、チフス菌(Salmonella enterica serovar Typhi)のVi莢膜多糖体抗原を精製した注射用ワクチンである。商品名はTyphim Vi(サノフィパスツール)およびTypbar-TCV(Bharat Biotech、Vi結合型ワクチン)等がある。
日本では腸チフスワクチンは薬事承認されておらず、医師の個人輸入により一部のトラベルクリニックで任意接種として使用されている。厚生労働省検疫所(FORTH)は、腸チフス流行地域(南アジア、東南アジア、アフリカ等)への渡航者にワクチン接種を推奨している。
腸チフスは衛生環境の不良な地域で汚染された飲食物を介して感染し、無治療の場合の致命率は10〜30%に達する。WHOの推計では、年間1,100〜2,100万人が罹患し、約12.8〜16.1万人が死亡している。抗菌薬耐性チフス菌(多剤耐性菌、XDR株)の出現が問題となっており、ワクチンによる予防の重要性が増している。
WHOおよび厚生労働省検疫所の推奨に基づく接種対象:
腸チフス高流行地域への渡航者(南アジア:インド、パキスタン、バングラデシュ、東南アジア、アフリカ、中南米)
流行地域での長期滞在者(1か月以上)
衛生状態の不良な環境に曝露される渡航者
冒険旅行者、バックパッカー
人道援助活動従事者
チフス菌を取り扱う実験室従事者
対象年齢:
Vi多糖体ワクチン(Typhim Vi):2歳以上
Vi結合型ワクチン(Typbar-TCV):生後6か月以上(WHOの推奨)
注意: 日本では未承認のため、副反応による健康被害に対して予防接種法に基づく救済制度は適用されない。医薬品副作用被害救済制度(PMDA)の対象外となるため、接種前に十分な説明と同意が必要である。
禁忌:
本ワクチンの成分に対する重篤なアレルギー反応の既往
過去の腸チフスワクチン接種時にアナフィラキシーを呈した者
慎重接種:
発熱中または急性疾患に罹患している者(回復後に接種)
抗菌薬投与中の者(チフス菌に対する抗菌薬がワクチンの免疫原性に影響する可能性は低いが、経口ワクチンと異なり注射用不活化ワクチンでは臨床的問題は少ない)
妊婦:安全性データは限定的だが、不活化ワクチンのため理論的リスクは低い。感染リスクが高い場合は接種を考慮
免疫不全者:接種は安全だが、免疫応答が不十分となる可能性がある
Vi多糖体ワクチンはT細胞非依存性の免疫応答を誘導するため、2歳未満の乳幼児では免疫原性が不十分である。小児への接種にはVi結合型ワクチン(Typbar-TCV)が推奨される。
非常に一般的(≧10%):
接種部位の疼痛(20〜40%)
接種部位の発赤・硬結
一般的(1〜10%):
頭痛(10〜20%)
倦怠感、筋肉痛
微熱(37.5℃以上は約1〜5%)
悪心
まれ(<1%):
蕁麻疹、発疹
関節痛
めまい
極めてまれ:
アナフィラキシー
血管性浮腫
Vi多糖体ワクチンは安全性プロファイルに優れており、重篤な副反応の報告は極めて少ない。WHOの安全性データベースでも、重大な安全性上の懸念は報告されていない。日本では未承認ワクチンのため、副反応発生時の対応について事前に患者に説明することが重要である。
使用製剤(輸入ワクチン):
Typhim Vi(サノフィパスツール):Vi多糖体ワクチン、0.5mL/回
Typbar-TCV(Bharat Biotech):Vi-破傷風トキソイド結合型ワクチン、0.5mL/回
接種方法: 筋肉内注射(三角筋部位)、0.5mL、単回接種
接種スケジュール:
渡航の少なくとも2週間前に接種
Vi多糖体ワクチン:3年ごとの再接種が推奨
Vi結合型ワクチン:再接種間隔はより長く設定可能(5年以上の持続が期待)
接種場所(日本国内):
輸入ワクチンを取り扱うトラベルクリニック
一部の総合病院の渡航外来
費用: 全額自己負担。1回あたり約8,000〜12,000円(医療機関により異なる)。
保管: 2〜8℃保存。凍結不可。
Vi多糖体ワクチン(Typhim Vi)の有効性:
ランダム化比較試験での有効率:55〜72%(地域・研究により異なる)
ネパールでのRCT(1987年):有効率72%(3年間追跡)
南アフリカでのRCT:有効率55%
防御は接種後2〜3年間持続し、以降は減衰
Vi結合型ワクチン(Typbar-TCV)の有効性:
ネパールでのRCT(TyVAC試験、NEJM 2019):有効率81.6%(約2年間追跡)
小児を含む広い年齢層で高い有効性
T細胞依存性の免疫応答を誘導し、免疫記憶が形成されるため、Vi多糖体ワクチンより長期の防御が期待される
WHOの推奨:
2017年にWHOはTypbar-TCV(Vi結合型ワクチン)を腸チフスワクチンの第一選択として推奨。特に6か月〜2歳の乳幼児にも使用可能
GAVIアライアンスの支援により、流行地域での導入が進んでいる
限界:
ワクチンはS. Typhi(チフス菌)にのみ有効。パラチフスA(S. Paratyphi A)には十分な交差防御が得られない
飲食物衛生との併用が不可欠
他のワクチンとの同時接種:
他の渡航ワクチン(A型肝炎、B型肝炎、黄熱、日本脳炎、髄膜炎菌等)との同時接種は可能
不活化ワクチン同士の接種間隔に制限はない
生ワクチンとの同時接種も可能
薬剤との相互作用:
抗菌薬:注射用不活化ワクチンのため、抗菌薬投与による免疫原性への影響は経口ワクチンと比較して少ない
免疫抑制剤:免疫応答が低下する可能性がある
抗マラリア薬:特段の相互作用は報告されていない
経口腸チフスワクチン(Ty21a)とは異なり、注射用Vi多糖体ワクチンは抗菌薬やプロバイオティクスとの相互作用を考慮する必要がなく、渡航前のスケジュール調整がより柔軟である。
Pregnancy: Safe if travel warrants vaccination.
Injectable typhoid ViCPS (Vi polysaccharide) vaccine is an inactivated subunit vaccine and is considered safe during pregnancy when the risk of typhoid fever warrants vaccination.
Limited formal studies in pregnancy, but extensive post-marketing experience with no safety signals.
Preferred over oral Ty21a (live vaccine) during pregnancy.
WHO recommends vaccination for pregnant travelers to highly endemic areas (South Asia in particular).
Breastfeeding: Safe — no restrictions.
Injectable typhoid ViCPS vaccine is inactivated and poses no risk during breastfeeding. No modification to breastfeeding or vaccination schedule is required.
Pediatric use:
Injectable ViCPS: licensed from 2 years of age.
Children <2 years: ViCPS is not effective due to T-cell-independent polysaccharide response immaturity.
Typhoid conjugate vaccine (TCV, e.g., Typbar-TCV): licensed from 6 months — preferred for young children in endemic settings (WHO prequalified).
Single 0.5 mL IM dose. Revaccinate every 2–3 years if continued exposure.
Geriatric use:
No specific age-related concerns. Standard dose and schedule apply.
Immune response may be slightly reduced in elderly adults, but clinically protective levels are typically achieved.
Food and water precautions remain essential regardless of vaccination status.
接種前の確認:
渡航先の腸チフスリスク評価(FORTH、CDC Yellow Book参照)
過去のワクチン接種歴の確認(再接種間隔の確認)
日本未承認ワクチンである旨の説明と、救済制度適用外であることの十分な説明
接種後の注意:
接種後30分間の経過観察
ワクチン接種はチフス菌感染を100%予防するものではないため、衛生的な飲食物の選択(「Boil it, cook it, peel it, or forget it」の原則)を併せて指導
接種後2週間で防御免疫が成立するため、渡航の2週間以上前に接種を完了する
再接種:
Vi多糖体ワクチンの防御期間は約2〜3年。リスク地域への継続的な曝露がある場合は3年ごとの再接種を推奨
Vi結合型ワクチン(Typbar-TCV)は免疫記憶を誘導し、より長期の防御が期待される
スケジュールデータがありません。
必要なワクチンがわかりますか?素晴らしい。わからなくても大丈夫 — 渡航先を教えていただければ、適切なワクチンとクリニックをお探しします。無料、義務なし。
このページの内容は、情報提供および教育目的のみを目的としています。医学的な助言、診断、または治療の推奨を構成するものではありません。健康上の懸念がある場合は、資格のある医療専門家にご相談ください。Medovaは医療サービス提供者ではありません。
利用規約全文Compare the two typhoid vaccine options for travelers: oral Ty21a (Vivotif) vs injectable Vi polysaccharide. Learn the differences in efficacy, schedule, side effects, cost, and which is better for your trip.