髄膜炎菌ACWYワクチンは、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)の血清群A、C、W、Yに対する結合型ワクチンである。日本ではメナクトラ(サノフィパスツール、MenACWY-D)が2015年に承認され、任意接種として使用されている。海外ではMenveo(GSK、MenACWY-CRM)、Nimenrix(Pfizer、MenACWY-TT)も広く使用されている。 髄膜炎菌性髄膜炎は急速に進行する致死的感染症であり、発症から24時間以内に死亡する場合がある。致命率は治療下でも10〜15%であり、生存者の10〜20%に永続的な後遺症(難聴、脳損傷、四肢切断等)を残す。 日本国内での髄膜炎菌感染症の発生は年間数十例と比較的少ないが、「髄膜炎ベルト」と呼ばれるサブサハラアフリカ地域では大規模な流行が繰り返し発生している。近年は寮生活を行う大学生・留学生での集団発生が問題となっており、特に米国・英国・オーストラリアへの留学時には大学入学要件として髄膜炎菌ワクチン接種証明が求められることが多い。
髄膜炎菌ACWYワクチンは、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)の血清群A、C、W、Yに対する結合型ワクチンである。日本ではメナクトラ(サノフィパスツール、MenACWY-D)が2015年に承認され、任意接種として使用されている。海外ではMenveo(GSK、MenACWY-CRM)、Nimenrix(Pfizer、MenACWY-TT)も広く使用されている。
髄膜炎菌性髄膜炎は急速に進行する致死的感染症であり、発症から24時間以内に死亡する場合がある。致命率は治療下でも10〜15%であり、生存者の10〜20%に永続的な後遺症(難聴、脳損傷、四肢切断等)を残す。
日本国内での髄膜炎菌感染症の発生は年間数十例と比較的少ないが、「髄膜炎ベルト」と呼ばれるサブサハラアフリカ地域では大規模な流行が繰り返し発生している。近年は寮生活を行う大学生・留学生での集団発生が問題となっており、特に米国・英国・オーストラリアへの留学時には大学入学要件として髄膜炎菌ワクチン接種証明が求められることが多い。
留学・渡航要件としての接種:
米国の大学・寮生活者(多くの大学がMenACWY接種を入学要件として義務化)
英国、オーストラリア等への長期留学者
サウジアラビア(ハッジ巡礼者はMenACWYワクチン接種証明が入国要件)
リスクベースの接種推奨:
髄膜炎ベルト(サブサハラアフリカ:セネガルからエチオピアまで)への渡航者、特に乾季(12〜6月)の渡航
寮生活を行う学生(国内外を問わず)
補体欠損症、無脾症・脾臓摘出後の患者(髄膜炎菌感染の高リスク群)
エクリズマブ(ソリリス)等の補体阻害薬投与中の患者
HIV感染者
髄膜炎菌を取り扱う実験室従事者
微生物学者
対象年齢:
メナクトラ(日本承認):2歳〜55歳
海外ではMenveo、Nimenrixが生後2か月〜使用可能
禁忌:
本ワクチンの成分(ジフテリアトキソイド、CRM197等)に対する重篤なアレルギー反応の既往
過去の髄膜炎菌ワクチン接種時にアナフィラキシーを呈した者
慎重接種:
発熱中または急性疾患に罹患している者
ギラン・バレー症候群の既往がある者(メナクトラ投与後のGBS報告あり、リスク・ベネフィット評価が必要)
血小板減少症または出血性疾患のある者(筋肉内注射に伴うリスク)
特記事項:
妊婦:安全性データは限定的だが、不活化ワクチンのため理論的リスクは低い。髄膜炎菌感染リスクが高い場合は接種を考慮
免疫不全者:接種は安全だが、免疫応答が不十分となる可能性。補体欠損症等の高リスク者には複数回接種が推奨される
血清群Bには無効であることに注意(MenBワクチンは別製剤)
非常に一般的(≧10%):
接種部位の疼痛(40〜60%)
頭痛(30〜40%)
倦怠感(25〜35%)
筋肉痛
一般的(1〜10%):
微熱
悪心、下痢
関節痛
食欲不振
易刺激性(小児)
まれ(<1%):
蕁麻疹
リンパ節腫脹
めまい
極めてまれ:
アナフィラキシー
ギラン・バレー症候群(メナクトラで市販後に報告あり。因果関係は確立されていないが、ACIP/CDCは接種後6週間以内のGBS発症のモニタリングを推奨)
メナクトラの国内臨床試験では、重篤な副反応の報告はなく、安全性プロファイルは良好であった。海外の大規模な市販後サーベイランスでも、重篤な有害事象の報告率は低い。
日本承認製剤:
接種方法: 筋肉内注射(三角筋)
接種スケジュール:
2〜55歳:0.5mL単回接種
高リスク群(補体欠損症、無脾症等):初回接種後8〜12週で2回目、以降5年ごとに追加接種
9〜23か月(海外製剤Menveo使用時):2回接種(3か月間隔)
海外製剤:
Menveo(GSK):生後2か月から使用可能
Nimenrix(Pfizer):生後6週から使用可能
費用: 任意接種のため全額自己負担。メナクトラ1回約20,000〜25,000円(医療機関により異なる)。
接種証明書:
留学先の要件に応じ、英文の接種証明書を発行
サウジアラビアのハッジ巡礼では、国際予防接種証明書(イエローカードまたは別様式)に記載
免疫原性:
有効性:
直接的な有効性を示すRCTは限られるが、米国での大規模な観察研究および英国の国家プログラムのデータから:
MenACWYワクチンの接種後1年以内の有効率:約80〜90%
接種後3〜5年以降は有効率が徐々に減衰(約50〜60%)
持続期間:
殺菌抗体の持続は年齢により異なる。青年期の接種では5年後でも約50〜70%が防御レベルの抗体を維持
免疫記憶は抗体レベルの減衰後も持続し、追加接種で迅速な応答が得られる
集団免疫効果:
他のワクチンとの同時接種:
他の渡航ワクチン(A型肝炎、B型肝炎、日本脳炎等)との同時接種は可能
米国ACIPはTdap(三種混合追加接種用)とMenACWYの同時接種を推奨
ただし、PCV13(肺炎球菌結合型ワクチン)との同時接種ではPCV13の免疫応答がやや低下する報告があり、可能であれば4週間の間隔を空けることが望ましい
薬剤との相互作用:
免疫抑制剤:免疫応答が低下する。補体欠損症の治療薬(エクリズマブ等)を使用中の患者では、ワクチンの免疫応答が不十分となるため、接種後の抗体価確認と定期的な追加接種が推奨される
抗凝固薬:筋肉内注射後の血腫リスクに注意
MenBワクチンとの関係:
Pregnancy: Safe if indicated.
Meningococcal ACWY conjugate vaccines are non-live and considered safe during pregnancy.
Recommended for pregnant travelers requiring vaccination for Hajj/Umrah (Saudi Arabia requirement).
Limited formal pregnancy studies, but extensive post-marketing experience without safety signals.
ACIP: "MenACWY may be administered during pregnancy if indicated."
Breastfeeding: Safe — no restrictions.
Meningococcal ACWY conjugate vaccines are inactivated and safe during breastfeeding. No modification to breastfeeding schedule required.
Pediatric use:
Menveo: licensed from 2 months of age. Infants: multi-dose series.
Nimenrix: licensed from 6 weeks of age.
MenQuadfi: licensed from 12 months of age.
Routine adolescent vaccination (11–12 years) with booster at 16 years (US ACIP).
Children with asplenia, complement deficiency, or HIV: 2-dose primary series + boosters every 3–5 years.
MenB vaccines (Bexsero, Trumenba) for serogroup B: separate schedule.
Geriatric use:
No specific age-related contraindications. Standard single-dose schedule applies.
Elderly travelers to the African meningitis belt or performing Hajj should receive MenACWY.
Immune response adequate in healthy elderly adults.
Asplenic elderly patients: 2-dose series + boosters every 5 years.
留学前の接種計画:
米国の大学入学要件では、16歳以降にMenACWYワクチンの接種を受けていることが求められる場合が多い
16歳未満で接種した場合は、16〜18歳での追加接種が推奨される(米国ACIP)
留学先の大学の具体的な要件を事前に確認し、接種証明書(英文)を準備する
接種後の注意:
接種後30分間の経過観察
当日の激しい運動を控える
追加接種の要否:
一般渡航者:単回接種で十分。5年後の追加接種はリスク継続時に考慮
高リスク群(補体欠損症、無脾症、HIV感染者):5年ごとの追加接種が推奨
ハッジ巡礼者:渡航の10日〜3年以内の接種証明が求められる
保管: 2〜8℃で冷蔵保存。凍結不可。
注意事項: 本ワクチンは血清群B(近年、日本国内の症例で最も多い血清群の一つ)をカバーしない。MenBワクチンの必要性について個別に評価する。
| 回目 | ブランド | 前回からの日数 | 対象年齢 |
|---|---|---|---|
| 回目 1 | MenQuadfi | — | 1 年+ |
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このページの内容は、情報提供および教育目的のみを目的としています。医学的な助言、診断、または治療の推奨を構成するものではありません。健康上の懸念がある場合は、資格のある医療専門家にご相談ください。Medovaは医療サービス提供者ではありません。
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