不活化ポリオワクチン(IPV)は、ポリオウイルス(1型、2型、3型)をホルマリンで不活化した注射用ワクチンである。日本では2012年9月に単独IPV(イモバックスポリオ、サノフィパスツール)が導入され、同年11月より四種混合ワクチン(DPT-IPV:テトラビック、クアトロバック等)に組み入れられて定期接種が行われている。 日本はかつて経口生ポリオワクチン(OPV)を定期接種として使用していたが、ワクチン関連麻痺性ポリオ(VAPP)の問題から、2012年にIPVへ全面切替を行った。この切替は保護者・小児科医からの長年の要望を受けたものであり、日本のポリオ予防接種政策における重要な転換点であった。 世界的にはWHOのGlobal Polio Eradication Initiative(GPEI)によりポリオの根絶が進み、2型野生株は1999年、3型は2019年に根絶が宣言された。しかし、1型野生株はパキスタンとアフガニスタンで残存しており、また、ワクチン由来ポリオウイルス(cVDPV)のアウトブレイクがアフリカ等で報告されている。
不活化ポリオワクチン(IPV)は、ポリオウイルス(1型、2型、3型)をホルマリンで不活化した注射用ワクチンである。日本では2012年9月に単独IPV(イモバックスポリオ、サノフィパスツール)が導入され、同年11月より四種混合ワクチン(DPT-IPV:テトラビック、クアトロバック等)に組み入れられて定期接種が行われている。
日本はかつて経口生ポリオワクチン(OPV)を定期接種として使用していたが、ワクチン関連麻痺性ポリオ(VAPP)の問題から、2012年にIPVへ全面切替を行った。この切替は保護者・小児科医からの長年の要望を受けたものであり、日本のポリオ予防接種政策における重要な転換点であった。
世界的にはWHOのGlobal Polio Eradication Initiative(GPEI)によりポリオの根絶が進み、2型野生株は1999年、3型は2019年に根絶が宣言された。しかし、1型野生株はパキスタンとアフガニスタンで残存しており、また、ワクチン由来ポリオウイルス(cVDPV)のアウトブレイクがアフリカ等で報告されている。
定期接種(予防接種法A類疾病):
追加接種(任意):
渡航者:
ポリオ流行国(パキスタン、アフガニスタン)およびcVDPV発生国への渡航者
小児期のポリオワクチン接種が不完全な成人渡航者
WHOの国際渡航推奨に基づき、流行国から4週間以上滞在した渡航者は出国前にIPV/OPVの追加接種が求められる場合がある
1975〜1977年生まれのコホート:
禁忌:
本ワクチンの成分に対する重篤なアレルギー反応の既往(ストレプトマイシン、ポリミキシンB等の微量成分を含む)
過去のポリオワクチン接種時にアナフィラキシーを呈した者
慎重接種:
発熱中または急性疾患に罹患中の者
けいれんの既往がある者
基礎疾患(心臓血管系、腎臓、肝臓、血液疾患等)を有する者
特記事項:
IPVは不活化ワクチンであるため、OPVと異なりVAPP(ワクチン関連麻痺性ポリオ)のリスクはない
免疫不全者にもIPVは安全に投与可能(OPVは禁忌だがIPVは可能)
妊婦:理論的リスクは低いが、添付文書上は有益性投与。ポリオ流行地域への渡航が必要な場合は接種を考慮
非常に一般的(≧10%):
接種部位の疼痛、発赤、腫脹(四種混合ワクチンとして接種する場合、DPT成分の影響も含む)
発熱(37.5℃以上、10〜30%、特に乳幼児)
易刺激性、啼泣(乳幼児)
一般的(1〜10%):
倦怠感、食欲不振
嘔吐
筋肉痛
まれ(<1%):
蕁麻疹
リンパ節腫脹
関節痛
極めてまれ:
アナフィラキシー
けいれん(熱性けいれんを含む)
IPVの安全性プロファイルは非常に良好であり、OPVで問題となったVAPP(ワクチン関連麻痺性ポリオ、OPVで約200〜400万接種に1例)のリスクは完全に排除されている。これが日本でのOPVからIPVへの切替の主たる理由であった。
日本での接種形態:
主に四種混合ワクチン(DPT-IPV)として接種:テトラビック(KMバイオロジクス)、クアトロバック(Meiji Seika ファルマ)
単独IPV(イモバックスポリオ、サノフィパスツール):OPVからの切替期やDPT-IPVが接種できない場合に使用
接種方法: 皮下注射(四種混合ワクチンの一部として)
定期接種スケジュール(四種混合DPT-IPVとして):
1回目:生後2か月
2回目:1回目から3〜8週後
3回目:2回目から3〜8週後
追加接種:3回目から6か月以上後(標準12〜18か月後)
成人渡航者(未接種または不完全接種):
単独IPV(イモバックスポリオ)を使用
0, 1-2か月, 6-12か月の3回接種
費用: 定期接種は公費負担。成人への任意接種は自己負担(約8,000〜10,000円/回)。
免疫原性:
IPV3回接種後のポリオウイルス各型に対する中和抗体陽転率:約99〜100%
4回接種後:全例でほぼ100%の防御レベル
有効性:
IPVはポリオウイルスによる麻痺性ポリオの予防に極めて高い有効性を示す
IPV導入国でのポリオ発生率は事実上ゼロ
IPVはウイルス血症を予防するが、腸管での複製を完全には阻止しない(粘膜免疫はOPVの方が優れる)。ただし、麻痺性ポリオの予防にはIPVで十分
IPV vs OPV:
IPV:VAPP(ワクチン関連麻痺)のリスクなし、免疫不全者にも安全、注射で投与
OPV:粘膜免疫の誘導に優れる、経口投与で簡便、VAPP・cVDPVのリスクあり
世界的にはIPVへの移行が進んでおり、WHO GPEI戦略はOPV段階的廃止を目標としている
持続期間:
4回接種後の防御免疫は数十年以上持続
追加接種は通常不要だが、ポリオ流行地域への渡航時にブースターを検討
他のワクチンとの同時接種:
四種混合ワクチン(DPT-IPV)として他の定期接種ワクチン(B型肝炎、ヒブ、PCV13、BCG、ロタウイルス等)と同時接種が標準的に行われている
渡航ワクチンとの同時接種も可能
不活化ワクチンのため、他のワクチンとの接種間隔に制限はない(同時接種しない場合)
薬剤との相互作用:
免疫抑制剤:免疫応答が低下する可能性。ただし、IPVは不活化ワクチンのため安全に投与可能
免疫グロブリン製剤:不活化ワクチンのため、有意な相互作用は報告されていない
OPVとの関係:
日本では2012年以降OPVは使用されていないが、海外ではOPVが依然使用されている国がある
OPVを接種した小児はワクチンウイルスを便中に排泄するため、免疫不全者への接触に注意が必要
IPV接種完了者はcVDPV(ワクチン由来ポリオウイルス)に対しても防御免疫を有する
Pregnancy: Safe.
IPV (inactivated poliovirus vaccine) is safe during pregnancy.
Can be administered if the pregnant woman is at risk of polio exposure (travel to endemic areas: Afghanistan, Pakistan).
No teratogenic effects observed.
Pregnant women who need polio vaccination should receive IPV, never OPV.
Breastfeeding: Safe — no restrictions.
IPV is an inactivated vaccine and is completely safe during breastfeeding. No modification to breastfeeding schedule required.
Pediatric use:
Part of routine childhood immunization schedule worldwide.
Schedule (US/ACIP): 4 doses at 2, 4, 6–18 months, 4–6 years. Often given as part of combination vaccines (hexavalent: DTaP-IPV-Hib-HepB).
Minimum age: 6 weeks.
IPV does not cause vaccine-associated paralytic poliomyelitis (VAPP) — this risk exists only with OPV.
Immunocompromised children must receive IPV (never OPV).
Dose: 0.5 mL IM or SC (all ages).
Geriatric use:
Adults with a completed primary series need only 1 lifetime booster if traveling to polio-endemic areas.
Unvaccinated adults: 3-dose series (0, 1–2, 6–12 months).
No upper age limit. No dose adjustment required.
Polio eradication is near-complete — endemic transmission persists only in Afghanistan and Pakistan (as of 2024).
接種歴の確認:
母子健康手帳でポリオワクチンの接種歴を確認
OPV時代の接種歴:OPV2回接種の者は基礎免疫が成立していると考えられるが、追加接種としてIPVを1回接種することで防御を強化できる
OPV/IPV混在接種:OPV1回+IPV2回等の混在パターンも許容される。合計4回の接種を目標とする
渡航者への注意:
ポリオ流行国への渡航前にIPV接種歴を確認し、不完全な場合は追加接種
WHOの国際保健規則に基づき、一部の国ではポリオワクチン接種証明が出国要件となる場合がある
接種後の注意:
接種後30分間の経過観察
発熱時の対応を保護者に説明
保管: 2〜8℃冷蔵保存。凍結不可。凍結した場合は使用しない。
| 回目 | ブランド | 前回からの日数 | 対象年齢 |
|---|---|---|---|
| 回目 1 | IPOL | — | 2 ヶ月+ (max: 2 ヶ月) |
| 回目 2 | IPOL | 60d | 4 ヶ月+ (max: 4 ヶ月) |
| 回目 3 | IPOL | 60d | 6 ヶ月+ (max: 2 年) |
| 回目 4 | IPOL | 1095d | 4 年+ (max: 6 年) |
必要なワクチンがわかりますか?素晴らしい。わからなくても大丈夫 — 渡航先を教えていただければ、適切なワクチンとクリニックをお探しします。無料、義務なし。
このページの内容は、情報提供および教育目的のみを目的としています。医学的な助言、診断、または治療の推奨を構成するものではありません。健康上の懸念がある場合は、資格のある医療専門家にご相談ください。Medovaは医療サービス提供者ではありません。
利用規約全文