エムポックス(mpox、旧称:サル痘)ワクチンは、オルソポックスウイルス属のウイルスに対する弱毒生ワクチンである。日本ではLC16m8株を用いた「乾燥細胞培養痘そうワクチン LC16「KMB」」(KMバイオロジクス)が2022年のアウトブレイクを受けて臨時の使用が認められた。海外ではJynneos/Imvanex(Bavarian Nordic、MVA-BN株)が広く使用されている。 エムポックスは従来アフリカの風土病であったが、2022年5月以降、欧米を中心に非流行国での集団発生が発生し、WHOは2022年7月に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言した。日本でも2022年以降に感染例が報告されている。 日本のLC16m8株は、元来天然痘ワクチン(痘そうワクチン)として開発された高度弱毒化株であり、従来の痘そうワクチンと比較して副反応が少ないことが特徴である。
エムポックス(mpox、旧称:サル痘)ワクチンは、オルソポックスウイルス属のウイルスに対する弱毒生ワクチンである。日本ではLC16m8株を用いた「乾燥細胞培養痘そうワクチン LC16「KMB」」(KMバイオロジクス)が2022年のアウトブレイクを受けて臨時の使用が認められた。海外ではJynneos/Imvanex(Bavarian Nordic、MVA-BN株)が広く使用されている。
エムポックスは従来アフリカの風土病であったが、2022年5月以降、欧米を中心に非流行国での集団発生が発生し、WHOは2022年7月に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言した。日本でも2022年以降に感染例が報告されている。
日本のLC16m8株は、元来天然痘ワクチン(痘そうワクチン)として開発された高度弱毒化株であり、従来の痘そうワクチンと比較して副反応が少ないことが特徴である。
曝露前予防:
エムポックス患者との濃厚接触リスクが高い者(医療従事者等)
ハイリスク群:男性間性交渉者(MSM)で多数の性的パートナーを有する者
オルソポックスウイルスを取り扱う実験室従事者
曝露後予防:
渡航者:
対象年齢:
LC16m8:年齢制限の明確な規定はないが、通常成人を対象
Jynneos/MVA-BN:18歳以上(緊急使用では青年にも使用)
LC16m8(日本):
重篤な免疫不全状態(弱毒生ワクチン)
免疫抑制療法中
湿疹(アトピー性皮膚炎等)の活動期(種痘性湿疹のリスク)
妊婦
心臓疾患のある者(心筋炎のリスク)
Jynneos/MVA-BN(海外):
MVA-BN(Modified Vaccinia Ankara)は複製能を欠くため、免疫不全者にも使用可能
禁忌は成分に対するアレルギーのみ
妊婦への使用データは限定的だが、曝露リスクが高い場合は考慮
慎重接種:
発熱中の者
急性疾患に罹患中の者
鶏卵アレルギー(一部の製剤)
LC16m8の副反応:
接種部位の局所反応(発赤、腫脹、膿疱形成 — 痘そうワクチンの特徴的な反応)
発熱
リンパ節腫脹(腋窩)
倦怠感
従来の痘そうワクチン(Dryvax等)と比較して重篤な副反応は大幅に少ない
Jynneos/MVA-BNの副反応:
接種部位の疼痛(85%)、発赤、腫脹、掻痒感
倦怠感、頭痛、筋肉痛
悪心、悪寒
MVA-BNは複製能を欠くため、痘そうワクチン特有の局所膿疱形成は起こらない
まれな副反応(痘そうワクチン全般):
心筋炎・心膜炎(特に複製能のある痘そうワクチンで報告。MVA-BNでは報告なし)
進行性痘そう(免疫不全者、複製能のあるワクチンのみ)
LC16m8(日本):
経皮接種(二叉針による)
単回接種
Jynneos/MVA-BN(海外):
皮下注射、0.5mL
2回接種(0, 28日後)
緊急対応として皮内接種(0.1mL)も認められている(dose-sparing strategy)
曝露後予防:
曝露後4日以内に1回目を接種(発症予防)
曝露後4〜14日以内でも接種(重症化予防)
費用: 日本では公費で対応される場合あり(エムポックスの感染症法上の位置づけによる)。
Jynneos/MVA-BNの有効性(2022年アウトブレイクのデータ):
2回接種後のエムポックス予防のVE:約66〜86%(観察研究、米国CDC)
1回接種後のVE:約36〜75%
重症化予防:2回接種後の入院リスクの大幅な低下
LC16m8の有効性:
天然痘に対する防御効果は臨床試験で確認されている
エムポックスに対する有効性の直接的な臨床データは限定的だが、オルソポックスウイルスに対する交差免疫が期待される
持続期間:
天然痘の根絶(1980年)以降、痘そうワクチンの接種が中止されたため、1976年以降生まれの世代はオルソポックスウイルスに対する免疫を持たない。これがエムポックスの非流行国でのアウトブレイクの背景の一つとなっている。
他のワクチンとの同時接種:
LC16m8:他の生ワクチンとは4週間以上の間隔。不活化ワクチンとの同時接種は可能
Jynneos/MVA-BN:複製能がないため、他のワクチンとの接種間隔の制限は緩和される
薬剤との相互作用:
免疫抑制剤:LC16m8は生ワクチンのため禁忌。MVA-BNは使用可能だが免疫応答は低下
免疫グロブリン製剤:LC16m8は投与後の接種延期が必要
天然痘ワクチン接種歴との関係:
Pregnancy: JYNNEOS® (MVA-BN, non-replicating live vaccinia) has limited data in pregnant women. Animal studies showed no evidence of teratogenicity. During the 2022 mpox outbreak, the CDC recommended offering JYNNEOS® to pregnant persons with known mpox exposure, as mpox during pregnancy is associated with miscarriage, stillbirth, preterm delivery, and congenital mpox. The non-replicating nature of MVA-BN reduces theoretical risk compared to replication-competent smallpox vaccines. Individual risk–benefit assessment is recommended.
Breastfeeding: JYNNEOS® (MVA-BN, non-replicating live vaccinia) has limited data in lactating women. As a non-replicating vaccine, the risk of vaccine virus transmission through breast milk is theoretically lower than with replication-competent smallpox vaccines. During mpox outbreaks, vaccination may be considered for breastfeeding women with exposure, weighing the risk of mpox disease against the uncertain risk to the infant. Consult with a healthcare provider for individual risk assessment.
Pediatric use: JYNNEOS® is approved for adults ≥18 years in the US, though it has been used off-label in children during mpox outbreaks under emergency use authorization. In pediatric use during outbreaks, dosing follows adult dosing (0.5 mL subcutaneous, 2 doses 28 days apart). Children may be at risk of mpox through household contact with infected persons. ACAM2000® (replication-competent smallpox vaccine) has significant pediatric risks including progressive vaccinia and myocarditis and should only be used in children during emergencies.
Older adults (≥65 years): JYNNEOS® can be administered to older adults at risk of mpox exposure. Adults who received childhood smallpox vaccination (routine vaccination ended in the 1970s–1980s) may have residual cross-protective immunity against mpox, though this wanes over decades. JYNNEOS® is recommended regardless of prior smallpox vaccination for individuals at current risk. Older adults may experience more pronounced local and systemic reactions. No dose adjustment is required.
接種前の確認:
エムポックスのリスク評価
免疫不全の有無
湿疹・アトピー性皮膚炎の有無(LC16m8の場合)
心臓疾患の有無
接種後の注意:
LC16m8:接種部位の管理が重要。膿疱が形成される場合があるため、他者への接触を避ける
MVA-BN:局所膿疱は形成されないため、特別な接種部位管理は不要
保管:
LC16m8:凍結乾燥製剤、-20℃以下で保存
MVA-BN:-25〜-15℃で冷凍保存。解凍後は2〜8℃で最大8週間
| 回目 | ブランド | 前回からの日数 | 対象年齢 |
|---|---|---|---|
| 回目 1 | Jynneos | — | — |
| 回目 1 | Jynneos | — | — |
| 回目 1 | Jynneos | — | — |
| 回目 2 | Jynneos | 28d | — |
| 回目 2 | Jynneos | 28d | — |
| 回目 2 | Jynneos | 28d | — |
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このページの内容は、情報提供および教育目的のみを目的としています。医学的な助言、診断、または治療の推奨を構成するものではありません。健康上の懸念がある場合は、資格のある医療専門家にご相談ください。Medovaは医療サービス提供者ではありません。
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