情報提供のみを目的としています — 医学的助言ではありません
重症度は?
死亡リスク
はい
ワクチンはある?
症状までの期間
影響を受ける国
活動中の流行
短期の都市部旅行者のリスクは非常に低いです。東アジア・東南アジアの農村部に1か月以上滞在する場合、特にモンスーン期にはワクチン接種が推奨されます。夕暮れから夜明けにかけての蚊よけ対策でリスクが大幅に低下します。
日本脳炎ウイルスによる重篤な蚊媒介性脳炎。脳炎発症時の致死率は20〜30%です。
症状 | 頻度 | 重症度 | 発症 |
|---|---|---|---|
| 頭痛 | 90% | 中等度 | 初期 |
| 悪寒 | 45% | 軽度 | 初期 |
| 食欲不振 | 60% | 軽度 | 初期 |
| 全身倦怠感 | 75% | 軽度 | 初期 |
| 吐き気 | 60% | 軽度 | 初期 |
| 嘔吐 | 55% | 中等度 | 初期 |
| 腹痛 | 25% | 軽度 | 初期 |
| 背部痛 | 20% | 軽度 | 初期 |
| 下痢 | 20% | 軽度 | 初期 |
| めまい | 35% | 軽度 | 初期 |
| 筋肉痛 | 50% | 軽度 | 初期 |
| 意識障害 | 75% | 重篤 | ピーク期 |
| 錯乱 | 65% | 重度 | ピーク期 |
| 高熱 | 80% | 重度 | ピーク期 |
| 項部硬直 | 70% | 中等度 | ピーク期 |
| 羞明 | 50% | 軽度 | ピーク期 |
| けいれん発作 | 65% | 重篤 | ピーク期 |
| 振戦 | 40% | 中等度 | ピーク期 |
| 易刺激性 | 55% | 中等度 | ピーク期 |
| 麻痺 | 30% | 重度 | ピーク期 |
| 発熱 | 95% | 重度 | 全期間 |
| 倦怠感 | 70% | 軽度 | 全期間 |
イエカ(Culex属蚊)によって媒介されるウイルス性脳炎。
日本脳炎(Japanese Encephalitis, JE)は、フラビウイルス科日本脳炎ウイルス(JEV)による重篤なウイルス性脳炎である。コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)の吸血により伝播し、ブタが主要な増幅動物(amplifying host)として感染サイクルの維持に重要な役割を果たす。
本疾患は1871年に日本で初めて記載され、その名称は日本に由来する。1924年の夏には約6,125例の大流行が発生し、世界的に注目された。1935年に三田村・田宮らが病原ウイルスの分離に成功(中山株)、これが後のワクチン開発の基盤となった。
日本における日本脳炎の歴史は、公衆衛生上の勝利の歴史でもある。1960年代にはピーク時に年間約1,000例以上の患者が報告されていたが、1967年の不活化ワクチンの定期接種開始、水田管理の変化、生活環境の改善により、患者数は劇的に減少した。現在は年間10例以下の報告にとどまるが、ブタの抗体保有率は西日本を中心に依然として高く(50〜90%以上)、ウイルスの自然界での循環は継続している。
アジア・西太平洋地域全体では、JEは小児のウイルス性脳炎の最大原因であり、WHO推計で年間約68,000例の症候性感染(うち約13,600〜20,400人が死亡)が発生している。主要な流行地域は中国南部・東南アジア(ベトナム・タイ・ミャンマー・カンボジア・インドネシア)・インド・ネパール・バングラデシュである。
感染症法上、日本脳炎は4類感染症に分類されている。予防接種法により定期接種(A類疾病)に位置づけられ、小児期に4回の接種が標準スケジュールである。
高熱+意識障害(傾眠、混乱、昏睡)→ 直ちにICUのある医療機関へ搬送
けいれん(特に反復性・遷延性)
振戦・筋強剛などパーキンソン様症状の急性出現
急性弛緩性麻痺
東南アジア・南アジアへの渡航歴がある場合は、必ず渡航歴を医療者に伝えてください。日本国内でも西日本の農村部での蚊の刺咬歴は重要な情報です。
最も一般的な兆候と症状
感染の大多数は不顕性感染:
前駆期(2〜3日):
突然の高熱(39〜40℃以上)
頭痛、倦怠感、悪心・嘔吐
急性脳炎期:
意識障害(傾眠→昏迷→昏睡へ進行)
けいれん(小児で特に多い)
パーキンソン様症状(仮面様顔貌、振戦、筋強剛、寡動)— JEに特徴的
急性弛緩性麻痺(ポリオ様の非対称性脱力)
脳神経麻痺
異常行動、精神症状
潜伏期間: 5〜15日
予後:
脳炎を発症した場合の致死率:20〜30%
生存者の30〜50%に永続的な神経学的後遺症(知的障害、運動障害、てんかん、性格変化)
小児での予後が特に不良
症状を知ることは、迅速な対応への第一歩です。
典型的な疾患経過(脳炎型):
臨床スペクトラム: 感染は無症候性ウイルス血症(最も多い)から軽度の発熱性疾患、無菌性髄膜炎、完全な脳炎まで多岐にわたる。脳炎は感染の1%未満で発症するが、壊滅的な結果をもたらす。
この病気の特定方法
検査確定(NIID推奨):
髄液中JEV-IgM抗体: 急性期髄液で検出。最も重要な確定診断法
血清JEV-IgM抗体: 発症後7〜10日で上昇
ペア血清IgG抗体: 4倍以上の上昇(HI法またはNT法)。ただし他のフラビウイルス(デング、ジカ)との交差反応に注意
RT-PCR: 髄液・血清。ウイルス血症期間が短く感度は低いが、陽性であれば確定
頭部MRI: 視床・基底核の両側性T2高信号が特徴的(JEに比較的特異的な所見)
鑑別診断: 他のウイルス性脳炎(単純ヘルペス、エンテロウイルス)、細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、自己免疫性脳炎
届出: 感染症法4類感染症。直ちに届出。
利用可能な治療法
特異的抗ウイルス薬はなく、対症・支持療法が治療の柱:
集中治療管理:
合併症の予防・管理:
リハビリテーション:
ほとんどの症例は早期診断で効果的に治療されます。
自分を守る方法
日本の定期接種スケジュール(予防接種法 A類疾病):
日本脳炎ワクチンは1967年より定期接種に導入され、現在は乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン(ジェービックV®、エンセバック®)が使用されている。
1期初回: 3歳から。6〜28日間隔で2回接種
1期追加: 1期初回終了後おおむね1年後に1回接種
2期: 9〜12歳に1回接種(合計4回)
接種の経緯と特殊事情:
2005年5月:マウス脳由来ワクチンの急性散在性脳脊髄炎(ADEM)との関連が懸念され、積極的勧奨が差し控えられた
2009年6月:乾燥細胞培養ワクチン(ジェービックV®)承認
2010年4月:積極的勧奨が再開
2005〜2009年の「空白の5年間」に接種機会を逃した世代(1995〜2007年度生まれ)は、特例措置として20歳未満まで定期接種として接種可能
渡航者向けワクチン:
海外ではIxiaro®(不活化ワクチン)が広く使用(0日目・28日目の2回接種)
東南アジア・南アジアの農村部に1か月以上滞在する渡航者に推奨
蚊の刺咬予防:
コガタアカイエカは夕方〜夜間に活動
蚊帳の使用、忌避剤(DEET、イカリジン)、長袖・長ズボンの着用
水田・豚舎周辺を避ける
準備が最善の防御です。
日本脳炎は「日本の名を冠した疾患」であり、日本人渡航者にとって特別な意味を持つ:
東南アジア(ベトナム・タイ・カンボジア・ミャンマー・インドネシア・フィリピン)、南アジア(インド・ネパール・バングラデシュ)への渡航者は接種歴を確認
農村部(水田地帯・養豚地域)に1か月以上滞在する場合はワクチン接種を強く推奨
短期渡航でもモンスーン期(5〜10月)の農村部訪問はリスクが高い
日本国内での定期接種歴があれば基礎免疫は獲得されているが、最終接種から10年以上経過していれば追加接種を検討
2005〜2009年の「空白の5年間」世代は接種歴を確認し、不足分を補完
夕方〜夜間の蚊の刺咬予防を徹底(忌避剤、蚊帳、長袖)
統計と地理データ
日本では1960年代のピーク時に年間1,000例以上であったが、ワクチン定期接種と環境変化により激減し、現在は年間10例以下である。ただし、ブタの日本脳炎ウイルス抗体保有率は西日本を中心に50〜90%以上と高く、ウイルスの自然界での循環は継続している。国内報告例は主に西日本の高齢者で、ワクチン未接種または接種歴不明例に集中する。
アジア・太平洋地域全体ではWHO推計で年間約68,000例の症候性感染が発生し、13,600〜20,400人が死亡。流行地域は24か国以上にまたがり、30億人以上が感染リスク下にある。中国・インド・ベトナム・ミャンマー・ネパール・バングラデシュが主要な負担国。モンスーン期(雨季)に感染リスクが最も高い。
近年、豪州北部(トレス海峡諸島、2022年)での発生が報告され、気候変動に伴うベクター分布域の拡大が懸念されている。
リスクが最も高い人
伝播シーズン中のアジアおよび西太平洋の流行地域への渡航、水田や養豚場の近くの農村部、夕方から夜間の長時間の屋外活動、ワクチン未接種、10歳未満の小児。
合併症の可能性
急性期合併症:
けいれん重積状態
脳浮腫・脳ヘルニア(直接の死因)
誤嚥性肺炎
不適切ADH分泌症候群(SIADH)
長期後遺症(生存者の30〜50%):
知的障害・学習障害
運動障害(痙性麻痺、パーキンソニズム、ジストニア)
てんかん
精神症状・行動障害
言語障害
感音性難聴
致死率: 脳炎発症例の20〜30%。小児と高齢者でより高い。適切な集中治療でも致死率は有意に高い。
予想される結果と回復
全体像: JEV感染の大多数(99%以上)は無症状。脳炎を発症した場合:
CFR:20〜30%。
生存者の30〜50%に永続的な神経学的後遺症(認知障害、運動障害、てんかん、精神症状)。
10歳未満の小児が不均衡に罹患し、転帰がより悪い。
特異的な抗ウイルス薬はない — 治療は支持療法。
脳炎症例の完全回復はわずか20〜30%のみ。
このページの内容は、情報提供および教育目的のみを目的としています。医学的な助言、診断、または治療の推奨を構成するものではありません。健康上の懸念がある場合は、資格のある医療専門家にご相談ください。Medovaは医療サービス提供者ではありません。
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Source: WHO GHO OData ↗
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